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4月

2011

一本刀土俵入

 市川亀治郎を見に浅草公会堂にやってきました。正確には連られて来られました。連れ会いが亀治郎ファンということで私の知人からチケットが手に入る話をしたらすぐに予約させられました。そして時々ご一緒するコンサート・パーティ仲間との観劇となりました。

 

 劇団若獅子が亀治郎を招いての共演となった「一本刀土俵入」は歌舞伎でも新国劇でも演じられてきた共通の演目だそうです。そして、両役者が同じ舞台に建つことは今回が初めてだそうです。

 

 あらすじ:一文無しの取的(番付の低い力士)に同情した酌婦(酒の酌などをして客をもてなす女)が持金の全てを巾着袋ごと、そして金目のカンザシと櫛をくれてやり、取的は感動して出世して横綱を目指す。しかし、取的は志しなかばで侠客となり10年経って恩返しにかつての酌婦を訪ねる・・・・。

 

 観劇にはほとんど縁のない私にとって見慣れない日本の舞台それも花道というものは舞台に奥行きをつくり、会場の客も取り込んで一体にしてしまうものだと改めて感激してしまう。そんな庶民的で一体感のある演劇では役者がキメると「~屋」と掛け声が飛ぶ。これも日本の大衆演劇の特徴だなと思う。よほどの贔屓でなければ声など掛けられそうにもない。この日もあっち・こっちから声が飛んだ。

 

 この講演は4月9日から名古屋ではじまり群馬・静岡・東京を経て関西に至り、4月24日が千秋楽である。

 最後に舞台挨拶で劇団若獅子の代表を務める笠原章氏は、3月11日の震災を受けて自粛することも考え亀治郎氏に相談したそうである。亀治郎氏もその時を振り返りそして舞台挨拶で「こんな時だからこそ、舞台の明りを消してはいけない。被災にあっていない私たちが早く普段の姿に戻らなくてはならない。一人でも観劇にいらしてくれるなら私たちは演じなければならない。」と力強く語られた。

 

 人情と義理の世界を描いたこの演目のように、私たちが今の日本を支え直すことができたら、きっとその後の日本は明るい兆しに満ち溢れるであろう。

 人の心はまだまだ豊かさを失っていない。今日の観劇をコーディネイトして下さった讃友ネットワークの大西さんが、先に行われた前橋公演についての新聞記事を見せて下さった。その記事は義捐金の額の大きさと募金箱に行列する姿を伝えていた。募金箱もただの箱ではない。草月流が花を愛でたもの。その美しさも手伝ってか巾着袋すべてとはいかないまでも集まった義捐金のほとんどはお札だったそうな。金額の大小ではないにしろ、誇れる日本人がここにもいらっしゃることに勇気づけられました。

 

間取りっち
建築コンシェルジュ

一級建築士事務所

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