Q.1 すでにある建物を宿泊施設に変更できますか?

A.1-1 宿泊施設が建設できる場所にあること

 立地が都市計画で住居地域・準住居地域・近隣商業地域・商業地域・準工業地域内で、文教地区にないことが最初の条件になります。各自治体のホームページで都市計画図が閲覧できます。

A.1-2 確認申請と完了検査を済ませていること

 確認申請と完了検査を終えていること。確認済証や完了検査済証で確認できます。もしなければ、各自治体の建築指導課や建築課の窓口で「台帳記載事項証明書」を発行してもらい、確認することができます。窓口では地名地番と建設時の建て主の名前と建設時期などを聞かれます。

A.1-3 確認申請から違法な増改築が行われていないこと

 確認申請後に不適切な増改築がないこと。

A.1-4a 宿泊施設の床面積が100㎡以下の場合

 用途変更のための確認申請は必要ありませんが、その建物が合法的に建設・使用されることを建物所有者が、新たに設計を行う建築士が設計・監理の責任を持つことになります。

A.1-4b 宿泊施設の部分が100㎡を超えると場合

 現在の建物の確認申請済と完了検査済がある場合。新しい計画案について用途変更の確認申請を行うことができます。

Q.2 旅館業の営業取得までの手順は?

A.2-1 現状建物の調査をします

  敷地と建物について、役所の記録や設計図書・都市計画図と現地調査をして、用途変更の可能を検討します。だいたいの可能性がみこめれば、新しい計画案を作成します。

A.2-2 計画案を作成します

   建築に関わる法令や旅館業・消防法と照らし合わせて、新しい計画案を作成します。いかに高い事業性が獲得できるかがポイントになります。

A.2-3 保健所に事前相談します

 保健所に新しい計画案を持参して、計画案を説明して事前相談を受けます。旅館業における計画案の可否が示されます。営業許可申請の手続きは概ね同じですが、自治体によっては営業許可申請の前に周辺住民に計画説明や同意を求める条例を定めているところもあります。また自治体によって旅館業の許可の基準に差異があります。これまでに経験のない自治体の場合は計画案を作成する前に保健所で営業許可の基準や手続きについて説明を受けることもあります。

A.2-4 消防署に事前相談します

 保健所の事前相談の折に、消防と建築に事前相談に行くように勧められます。東京都の場合、縦割り行政の不備を解消するため、営業許可申請時に消防と建築に計画した建物が適切か照会が行くことになっています。

 消防署によって、法令の解釈については差があります。地域の特性を反映したものだと思います。そして消防は現場での判断を重視されますので、設計図だけでは想像しづらいところは3Dで表現したり、念を押して確認しておきます。

A.2-5 建築行政窓口と事前相談します

  建築の事前相談は、役所の建築確認申請担当の窓口でします。ここで計画案を見せるかどうかは考えた方がよいでしょう。確認申請が必要な場合で、役所で確認申請を行う場合は計画案を説明しながら、適否を確認することがよいでしょう。民間の指定審査機関に確認申請をする場合は、役所の担当者によっては都市計画の用途地域だけ確認して、建物の内容については確認申請するところで改めて行ってください。と言われる場合もあります。また、後々、指定審査機関と役所で解釈が異なる場合もあります。

A.2-6 計画案を修正します

 事前相談用の計画案は平面図のみで足りることがほとんどです。

 事前相談を踏まえ、計画案を修正します。

A.2-7 用途変更の確認申請をします

 確認申請には必要な設計図書や調査資料、過去の記録など揃えることになり、格段に提出物が増えます。また、図面間の齟齬も認められませんので正確さも同時に求められます。

 確認申請を提出する前に平面図・断面図・立面図・仕上表をもって、申請先とまず、大まかなところで見当違いはないか事前相談をします。

 概ね見通しが立って確認申請図書と関連資料をそろえて、役所の建築窓口もしくは指定確認申請審査機関に提出します。そこから申請先の本格的なチェックを受けます。中には思いもよらぬ指摘や担当上司との見解の違いもあります。

 確認申請は所轄消防署でも審査がされます。

 申請してから確認済証が下りるまでに1.5~3ヶ月位かかります。

A.2-7 旅館業営業許可申請をします

 保健所・消防署・建築担当の事前相談を終えれば、営業許可申請はいつ提出しても構いません。営業許可申請されてから、計画施設周辺の児童教育・福祉施設に照会されます。照会が戻ってくるまでに通常1か月見て、場合によってはそれ以上かかることもあるようです。

A.2-8 消防への届出書

 確認申請証が下りたのち、消防署に工事着手前に消防設備等の計画書を提出します。

 使用前の検査をして工事が完了すると、使用開始の届出をします。

A.2-9 現地検査を受けます

 保健所と消防署の完了検査を受けます。

 保健所は営業できる状態で完了検査を行います。宿泊者名簿の用意されすべて揃った状態です。保健所によっては、間仕切りの柱が立ったところで中間検査を行うところがあります。

 保健所の完了検査の前に消防の検査を受けます。消防は避難器具や消防設備の検査を主に行います。保健所の検査対象より簡潔です。

A.2-10 営業許可

 保健所の完了検査の合格後、(確認申請が必要な場合は)建築確認申請済証と消防の完了検査後の適合通知書と合わせて、営業許可が下ります。