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空家ホステル

西浅草計画

 築50年は経つという店舗+住宅+下宿だった空家を取得され、ホステルに改修する計画です。完了検査済証はありません。図面もありません。救いは延べ面積が100㎡以下であること。法的にホテル・旅館・簡易宿の宿泊施設は特殊建築物に当たります。不特定・多数が使用する建築物は、戸建て住宅と事務所以外はそれに当たります。特殊建築物への用途変更が100㎡を越えると確認申請が必要になります。

 確認申請が不要とはいえ、遵法義務は建築主にあります。違法建築物を所有して使用したり、他人に貸す場合、その所有者が責任を負うことになります。従って建築基準法や自治体の条例に適合する建物にしなければなりません。

 

 台東区では、多人数部屋の2段ベッドの概ねの離隔寸法が定められています。通路幅が0.75m、並列に列ぶベッド間で1.2mです。他ではあまり見ません。旅館業法の取扱はそれぞれの自治体で事情にあわせて指導されます。

 

 西浅草の建物は1間が1.8m、柱は10cm角です。6畳間と4.5畳間で構成されています。4.5畳間は下宿だったのでしょう。流しとガス、他に0.75間の押入がついています。

 学生時代の友人の下宿間が思い出されます。当時、彼の部屋には大きな製図板が脇に置かれ、小さな炬燵で暖を取りながら酒盛りに興じていました。今では信じ難いコンパクトな足の踏み場すらない生活でした。丁度、大学の学部が新設されたのが50年前それに合わせて建てられた下宿屋、この建物と建てられた時代と合うかもしれません。

 6畳間に何とか2段ベッドを3台置きたいと、建築主から言われます。面積的にはかろうじて簡易宿所の一人あたりの有効面積をクリアする数字です。でも、台東区の場合、通路幅が規定されていますので、ベッドを小さくするか、個室にするしか方法はなさそうです。

 

 簡易宿所には、東京都安全条例で宿泊室の窓の前面に空地が求められます。窓先空地といいます。窓からも避難できるように定めたものです。密集する東京事情ならではでしょう。窓先空地は延べ面積が100㎡以下の場合、道路に通じる幅1.5m以上の通路が必要です。窓が道路に面する場合もOKです。敷地内に一定の空地が取れていないと、道路側の部屋しか宿泊室にできません。そこで生まれるのが、うなぎの寝床状態です。

 

 ホステルはビジネスチャンスかも知れません。不動産購入時には、購入前に保健所・消防署・特定行政庁(建築確認申請窓口)で予め相談して、事業計画を含めて検討されることをおすすめします。不動産を購入した後で、ベッドの台数が予定通り入らないと後悔する前に確度の高い計画が必要です。役所と相談するには建築の予備知識が必要不可欠です。


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