民泊をはじめるには

空き家を効率的に収益化でき、自分のスタイルに合わせた運営ができることから民泊市場は急速に拡大しています。今までの不動産といえば、物件の転売によるキャピタルゲインや、家賃収入によるインカムゲインが主流でしたが、民泊は宿泊サービスという異なる概念で不動産運用をする"新たな不動産運用の手段"として注目を集めています。

民泊ビジネスが人気を集める理由

自己所有の不動産が無くても、運用が可能

不動産運用は、”不労所得を得るための手段として不動産運用は一部のお金持ちや、安定収入がある人が融資を受けて副業でやるもの”というイメージが強いと思いますが、民泊ビジネスは家主として運営するための資金力がなくても、賃貸して「転貸」することで、利益を得ることが可能になります。もちろん常識的に家主から許可を得ることは必要ですが、この転貸の仕組みが有効に働いているのも民泊ビジネスが人気を集めている一つの理由として挙げられます。

賃貸運営よりも相対的に利回りが高い

不動産賃貸の一般的な実質利回りは4~6%と言われています。

物件の立地や設備・同地域の競合環境によって一概には言えませんが、利回りは一般的な賃貸運営の3倍と言われています。

賃貸運営よりも付加価値が付け易い

家賃収入を得る賃貸運営は、物件の価値(家賃)が立地条件と築年数で決まってしまう場合が多く、付加価値を付けることが難しいのですが、民泊の場合は立地・築年数だけでなく、内装や設備などのハード面+サービスやホストの対応などのソフト面が評価軸に入りますので、付加価値が付け易くなります。結果、賃貸運用に比べて値崩れがしにくい側面があります。

インカム収入+キャピタルゲインの両方が狙えるケースも

物件を所有しているオーナーならばそれを活用する際、自己所有物件を民泊として貸し出しインカムゲイン(宿泊料収入)を得ながら、民泊運営可能な高利回りという付加価値を付けた上で、将来的に転売してキャピタルゲイン(売却益)を得る事も可能です。

文化交流の場としての意味合いもある

全世界からユーザーを迎え入れることで文化交流ができるのも民泊の大きな特徴です。収入だけでなく、日本にいながら「外国人と交流がしたい」、「色んな人と出会ってコミュニケーションがしたい」という目的で民泊ビジネスを始める人もいます。

民泊ビジネスを始める方法

次に民泊ホストとして民泊ビジネスを始めるための基本工程を説明させて頂きます。

1. 物件を決める(自己所有物件 or 転貸物件か?)

民泊として物件を運用する場合、①自己所有物件を運用するタイプ、②賃貸物件を第三者に貸し出す転貸タイプがあります。

 

2、物件の運営スタイルを決める

運営する物件が決まったら、次は運営スタイルを確定させます。現在主流となっているのは

①個室とトイレ・バス・キッチンなどの共有スペースを全て貸し出す貸切スタイル。

②ユーザー1単位に1個室を提供し、共用スペースはシェアしてもらうスタイル。

③相部屋形式で複数単位のユーザーに提供するスタイルの3種類です。

1.貸切スタイル(Entire Home/apt)

物件まるごと貸切でユーザーに使ってもらいます。

自分は物件に住まず管理人のようなスタンスで運営し、ホストとは望まなければメールなどのやり取りのみで対面することもありません。民泊ビジネスにおける主流3スタイルにおいて最も利益が見込め、事業的な要素として本格的に利益を上げたい人にお勧めです。ただし、自宅以外に運用物件を設ける必要があるので初期投資のコストが高くなります。また物件単位での宿泊料金ですと人数が増えると1人あたりの料金は少なくなることがあります。

 

2.個室スタイル(Private Room)

2LDKや3LDKなどの広めの物件をお持ちの場合で、空いている個室を貸し出します。

個室以外のリビングやトイレなどはホストとゲストが共有して使い、朝食や夕飯を一緒に過ごすケースもあります。プライベートは守りながら、適度にゲストとコミュニケーションをとることができます。外国人ゲストも、ホストとある程度の交流をしたい方が多いので、価格が折り合えば多少都心から離れていても足を運んでくれる場合が多く、ゲストが付きやすい傾向にあります。

 

3.シェアルームスタイル(Shared Room)

ワンルームや1Kなどで自分が住んでいる部屋にベッドを設置して、生活空間を完全に共有する、いわゆる相部屋方法です。家具や家電なども共有するので新しく買い揃える必要がなく初期コストが少ないのがメリットです。

収益面では、貸し切りや個室貸し出しよりも宿泊料を安く設定しなければゲストがつきにくいので、自分の部屋に誰かを泊めてお小遣いをもらいたい・家賃やローン充当程度の副収入が欲しい人におすすめです。また、外国人ゲストと同じ空間で生活することから、他の運営方法よりも語学力や気遣いが必要になってきます。積極的に外国人ゲストとコミュニケーションをとりたい人にピッタリです。

  貸切 個室 シェア
初期コスト 高い 低い
収益性 高い 低い
プライバシー あり 適度 なし
空室リスク 高い なし

3、民泊ゲストの募集

貸し出す物件が決まっても宿泊者の募集ができなれければ意味がありません。募集については、自分でホームページを作り集客する方法もありますが、サイト制作→プロモーション(SEOや広告出稿などサイト認知度アップのための施策)など諸々のコストや手間が生じてしまいます。中長期的にはコストと手間を掛け、自分のホームページを構える事も大切ですが「素早く簡単、且つ効率的に宿泊希望者を集めたい」という方には民泊仲介サイトの活用が便利です。

 

4、民泊ゲストの対応

ゲストの募集手段が決まったら、次は実際に問い合わせや宿泊予約が入った時の受け入れ体制を整えます。民泊仲介サイトのAirbnbのデータでは、サイト利用者の54%がアジアで、そのうち最多が中国からの19%、シンガポール8%、韓国7%の順に推移しているそうです。42%はアジア圏以外の国のゲストになる計算ですので、ゲストとのやり取りにいて最低限の英語は必須となります。

更に、ホテルで言う宿泊規定のようなガイドラインやユーザーマニュアルの作成が必要です。ゲストが宿泊時に困らないよう設備・備品の使い方からトラブル時の連絡先、周辺環境の案内、観光地案内まで。ゲストの属性によりどのあたりの情報までカバーするか、レベルはまちまちですが、いずれにせよ英文を中心に冊子を作って部屋に設置する必要があります。

 

5、管理・運営

管理運営に関しては、ホストがどのようなスタイルで民泊サービスを始めるか?で異なります。最低限発生する業務としては、鍵の引き渡し、清掃、トラブル対応があります。自分が動ける日だけゲストを受け入れるのであればこれらの業務全て自分で担うことができますが、もし本格的に規模を拡大して収入を増やしていきたいなら管理物件数を増やさなければならないので、自分一人で管理運営を担うことが難しくなる可能性もあります。管理運営を代行してくれる会社も続々と誕生していますので、自身のスタンスによって活用するかどうか検討するしてみてもいいかと思います。


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