私たちの仕事

Ecology & Economy, Smarter Architecture.

ー建築をより賢く作り より賢く使うー

建築の長寿命で生活を豊かに

 日本人の所得水準は世界的に高いにも係わらず、豊かさの実感が乏しいのはなぜでしょうか。

 その原因の一つに建物の寿命の短さにあると思います。

 最近の木造住宅は平均26年で建替えられています。 

 一生の間に2回住宅を建ててそして廃棄していることになります。

 その住宅費を一生払い続けています。

 しかも建物は次代に遺すことができていません。

 ビルも同様です。

 名建築であっても経済効率上の理由から次々と解体され、いつの間にか建築は文化とともに使い捨てられストックされていません。

 これではいつまでたっても建築費の負担は消えず、豊かさは遠のいていくばかりだに感じます。 

造ることから使い続けること、そして引き継ぐことへ

 豊かさを取り戻すためには、建築を上手に造って上手に使うことです。

 限りある地球資源のためにも、環境負荷を小さくしてわれ建築を長く使い、資産になることが不可欠です。

 いま私たちは子孫の未来の貯えを奪っています。

 人口は増加し経済活動が盛んになれば、資源は枯渇しエネルギーは不足します。

 未来のために、持続できる社会を作り始めなければなりません。

 そのなかで建築にできることを考え実践してゆきます。  

建築を長く使って 建設費の負担を軽減

 木造住宅の平均建替周期は27年程度といわれますが、これは物理的寿命とは違います。

 まだ使えるものの別の理由で取り壊されています。

 建築を長く使えば、その分イニシャルコストの負担は小さくなります。

 長い間に、家族や生活・身体能力が変わればそれに合わせて、リフォームやリノベーションをして長く使う工夫ができます。

 

 近年の木造住宅は、合理化されて性能も向上し仕様は安定しています。

 これからの住宅に求められることは、巨大地震への備えと、エネルギー消費をはじめとする持続可能な生活にシフトすることです。

無駄を減らして 有効性と効率性を高める

 建築には必ず機能しない部分や、廊下や階段などつなぐためのスペースが必要になります。

 限られた予算とスペースの中では、その部分を最小化させたり、主たる用途のスペースの一部にするなど、スペースの節約と効率化を図ることが必要になります。

 

 間取りと呼ばれる部屋の配置と動線が、建築の骨格であることは言うまでもありません。

 一方で、その骨格が未熟なまま、デザインだけが目立つ建築もあります。

 生き物と同じで骨格と肉付きがあって表層の化粧も生えます。 

確かなイメージを共有する

 建てたい建築をイメージして、それを人に伝えることは容易ではありません。

 イメージがご本人の思いだとすると、それがない建物は建築ではない気がします。

 魂の入っていない仏像です。

 

 要望にも意識されたものと、まだ意識されていない潜在的なものがあります。

 間取りを作りながら隠れた要望を引き出し優先順位をつけながら整理します。

 この間取りを作りながら設計条件を整理できて初めて、目指すものが確かになります。 

建築を見える化する

 2次元の図面は、的確にその建築を表現します。

 しかし、図面には高さや厚みの情報が不足するので、空間を想像するにはスキルと経験が必要になります。

 それを補うために模型や完成予想図があります。

 あるいはアニメーションもあります。

 

 BIM(ビム)と呼ばれる建築向けの3DCADがあります。

 これはコンピュータの中にデジタルの模型を作ります。

 その詳細度によって、初期の検討モデルから実物そっくりのモデルまで様々に作ることができます。

 そして、デジタルモデルのからいろいろな設計図が切り出されます。

 3Dで設計すると、図面を読むのに不慣れな素人の方にも、建設業に携わるプロの人にも、空間を直接ヴィジュアルに理解できるので、意思決定が早くなります。 

土地を知り 特性を生かす

 土地選びは、建蔽率や容積率だけで建設可能なボリュームを知ることはできません。

 選ばれる土地周辺の環境はもとより履歴や付近のボーリングデータも参考にされるとよいでしょう。

 土地の特性は地名に現れることがあり、参考になります。

 今では縁起を担いで当て字に変えられていることもあります。

 

 建築の可能性は斜線制限や日影などシミュレーションで初めて正確な判断ができます。

 さらに、建物の合理的な形や動線・部屋が整えられ、日影や斜線、天空率で可能性を追求します。

 土地購入を検討される際には、簡単な図面でも確認することをお勧めします。 

柔軟に変化できる

 減価償却資産にもとづく建物の耐用年数は、まだ建築技術が今ほど発達したものでもなく、生活スタイルも劇的に変化を遂げていたころに制定されたもの。

 今や建設に関わる技術の進歩は目覚ましく、コンクリートの材料強度にしても、木造の材料強度の安定性や、地震に対抗する技術や材料の弱点を補う構法や計算精度は、比べようもなく目覚ましい。

 

 従って、手抜きをせずにちゃんと設計して、ちゃんと工事をして、適度にメンテナンスをしておけば、黙っていても100年はもつ。(と私は考えています。)

 

 建物が長持ちするようになると、建物の中での使い方の変化に柔軟になれること。

 住宅であれば家族が最大のころを見計らって計画するものの、それは人生ではほんの一時。

 不動産の価値の上昇は人口減少の中ではそれほど期待もできない

 一方で過大な建設費・維持費を負担を負担することとなり、家族構成が縮小化する中では無用の長物となってしまう。

 

 空いたスペースをいかに活用するか。

 民泊やシェアハウスという事業性に追随できる、住宅のスタイルに変化していく。





Ecology & Economy, Smarter Architecture.

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