吾妻橋ホステル

プロジェクトがスタートしました

 築22年の事務所併用住宅のホステルへの用途変更です。建物は1階が駐車場、2~3階が事務所、4~5階が住宅です。各階100㎡に満たない延べ面積約500㎡で、検査済みもあり竣工図もあるとてもいい状態です。部屋からはスカイツリーも望め、屋上からは墨田の花火が眼前に広がります。

 建物の良さを残しながら、そしてそれを活かしながら特徴あるホステルに仕立て、将来的にも競争力が維持できる優良顧客のリピート率が高くなる仕組みがテーマになります。

 空間のデザインもしながら、持続可能なビジネスをデザインすることが肝心です。

運営開発会議 0817

 ビルオーナさんとコンサル兼運営者さんと弊社の3者で、ホステルの方向性を決める会議が始まりました。

 まずは施設のコンセプト。コンサルさんの考えは、地域の独自性を活かして、検索キーワードにヒットしやすいもの、インスタ映えするものによって集客の最大化を図る狙いです。

 施設は元々、事務所の上階に住宅がありました。その構成を活かして事務所部分はドミトリスタイル、住宅部分は民泊スタイルで初期案を作成しました。当初はパズル的に最大ベッド数を求め、事業計画を立てます。それで成り立てば、次にベッド数を減らしならが、クオリティを上げ適正単価を想定して、元の事業計画と比較します。より良くなる方向を探りながら、部屋の構成やグレードを区別していきます。

 簡易宿所は東京都では、各室に窓先空地が求められます。元の施設は事務所+個人住宅でしたので窓先空地は求められていませんでした。そこへ簡易宿所に用途変更すると窓先空地が必要になります。敷地は前面道路が1面のみ、他三方は隣地に囲まれ、建物は敷地一杯に建ち、避難は前面道路以外はとれません。しかも、古い町によくある間口が狭く奥行きの深い・うなぎの寝床です。住宅階を個室で構成できると魅力は高まるので、旅館と簡易宿所の複合建築案を考えました。オフィス階を簡易宿所のドミトリ形式でベッド数を確保し、住宅階は旅館にして個室でプライバシーとサービスを高める案です。墨田区保健所に相談すると、旅館と簡易宿所は同じ旅館業法の営業許可であるけれど、それぞれ別のものなので、そこに共有部分があると、墨田区では認められません。との回答でした。

 旅館+簡易宿所は諦め、簡易宿所単独で計画を進めることに。コンサルさんから、通常のホステルはバックパッカ向けの安い宿と差別化して、ホステルの高級路線を目指し提案がありました。それはポッシュテルと呼ばれていて、posh(高級な)+hostelの造語だそうです。

 ビジネスホテルともホステルともシティホテルとも民泊とも異なる新しいスタイルの宿が生み出されそうです。

現地打合せ 1003

 不動産購入前に建物情報から既存建物の図面を起こし、そこにホステル計画案を作ったのが7月。9月末に不動産の引渡しが完了して、改めて工事会社さん含め現地に入ることになりました。

 計画案はほぼ固まっています。計画案を施工者に説明しながら、現地の状況や施工の難易性、再利用の可否を建物オーナと施工者を含めて協議・確認しました。

 4・5階がメゾネットタイプの住居で、4階から屋上まで続く内部階段が設けられていました。他にエレベータと外部階段がありますので、この階段がホステルの運営上効果的に働くことはありません。むしろ面積を浪費して、動線を阻害する要因でもありましたので撤去することにしました。

 

 階段の撤去については、法的に主要構造部の変更になります。その半分を越える変更には確認申請が必要になります。階段はその階に2つある内の1つの変更となり、過半の変更には当たりませんので、確認申請は必要ありません。逆に階段が1つある階に新たに1つ追加する場合は、確認申請が必要になります。もともと1つのところに増やせるのはその半分の0.5までで、それを越えると確認申請が必要になります。

 

 1階は駐車場と、コンクリートの壁で仕切られたエントランスアプローチが隣接してあります。通路幅は狭いところで1.2mです。奥行き11mです。細くて長い通路です。駐車場の容積緩和を使って容積率は目一杯です。

 ホステルの面積の最大化を図るため利用の少ない駐車場はやめて、その一部をフロントと事務所に、そして外気に面したオープンラウンジにする計画を立てました。コンクリートの壁を撤去して、広い間口で宿泊客を迎えるオープンラウンジからレセプションにつながる案です。

 駐車場を室内にするためにそれに代わる床面積を捻出します。エレベータの容積緩和、アプローチの外部化、塔屋の撤去などで工面しました。

 が、しかし、現地でビルオーナは、1階の区画壁はできるだけ残すことを最終決定され、それに従ってエントランスやフロント、オープンラウンジ周りを再考することになりました。