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戸建住宅から旅館に用途変更 階段

 2019年6月25日に改正・建築基準法が施行され、3階建て200㎡以下の建物(「小規模な」)の緩和によって、これまでホテル等は耐火建築物が求められていた。それが「小規模な」ホテル等は準耐火建築物も認められることとになった。そのため3階建ての戸建住宅も旅館に用途変更できることとなった。勘違いしてはいけないのは、防火地域では用途によらず2階建て以上は耐火建築物が求められる。

 

 3階以下・延べ面積200㎡以下の戸建住宅は、階段部分の竪穴区画が緩和されている。階段と廊下は避難時には最も高い安全性が求められる。特に階段等部分は、火災と煙が拡大する場所でもあるため上階への火災が広がらないようにするために区画することになる。それを竪穴区画や階段区画と呼んで防火性能を高めている。住宅の使用者はその施設をよく知っているが、ホテル等の宿泊者はほとんどその施設を知らない。よく知らない施設ゆえ安全性を高める必要がある。

 

 結果、旅館に用途変更するには、竪穴区画を設けなければならなくなった。「小規模な」ホテル等は、通常求められる耐火の壁ではない。煙の進入を防ぐものでよい。そして階段室への入り口のドアは煙の進入を防止し、自動閉鎖か煙感知器に連動するものでなくてはならない。

 3階以上の階から屋内の階段を使って地上まで避難する場合は、階段の途中に扉は設けてはいけない。そのため上階の階段から下階の階段までを廊下等でつなぐ部分も階段として扱われる。そのためこれまでの居室の一部は階段になり、通路には壁が建てられることになる。

 

 階段の寸法も、住宅と旅館等では基準が異なる。住宅の方が基準は低いのため用途変更には注意が必要である。特に周り階段(らせん状の段)は注意が必要である。踊り場など曲がるところに三角形の断板で階段が作られることがある。これが90度で4枚配置されているとほとんどはNGになる。

 東京都ではホテル等の直通階段の螺旋階段は認めていないので、併せて注意が必要である。

  

 そして、用途変更には消防設備が新たに設けられることになる。階段には階段通路誘導灯が必要になるが、非常用照明で代用することもできる。ホテル等の居室には非常用照明の設置が必要になるが、3階以上の居室で30㎡以下であれば、居室から地上に通じる部分(廊下・階段)に非常用照明があれば、居室への設置は緩和される。